有限会社イーズ(東京都台東区、代表:枝廣淳子)と株式会社未来創造部(静岡県熱海市、代表:枝廣淳子)は、本日、企業の災害支援状況に関するアンケート調査の結果を発表しました。
【調査概要】
1.調査背景
7月3日に熱海市伊豆山地区で大規模な土石流災害が発生しました。熱海市に拠点を置く株式会社未来創造部では発災直後から支援活動を行っていますが、企業や団体に支援物資のお願いや支援のご相談を行った際、企業によってその動きや対応にかなり違いがあることがわかりました。
また、未来創造部が主宰するATAMI社会課題ラボでも、災害支援の取り組みについてメンバーと考えた時、「企業として支援はしたいのだが、何に対してどのように支援したら良いのかの基準が明確に決まっていないために動きにくいことが多いのではないか」といった意見が出ました。
温暖化の進行もあって各地で災害が増えることが予想される中で、企業が迅速に支援できる態勢を整えておくことは非常に重要であると考えます。そのためには、企業が災害支援の基準やプロセスを持っていることが必要です。そこで、まずは企業の災害支援の現状を知るためにアンケート調査を実施したものです。
※ATAMI社会課題ラボとは https://mirai-sozo.work/atami-social-issues-lab/index.html
2.調査時期 : 2021年8月20日~2021年9月16日
3.調査数 : 31社
オーエスラボ株式会社、株式会社大阪TYS、米谷紙管製造株式会社、ジャパン・リニューアブル・エナジー 株式会社、新菱冷熱工業株式会社、株式会社商船三井、大和ハウス工業株式会社、株式会社ミナモト建築工房、ライオン株式会社ほか ※50音順
4.調査方法 : 一般のアンケートフォームと追加でヒアリングを実施
主なヒアリング先:アンケートに回答くださったイーズ未来共創フォーラム会員企業
※イーズ未来共創フォーラムとは https://www.es-inc.jp/network/index.html
5.質問項目
①災害支援を行うか判断している部門について
②災害支援の決定を判断する際の基準について
③過去5年間の災害支援について
④災害支援についての課題
6.調査結果のポイント
- 大きな災害があった際、支援を行うかどうか、判断を行う部門に関する質問において、約半数の企業がひとつ、もしくは複数の部門が連携して判断していると回答したのに対し、約3割の企業が「決まっていない」と回答。
- 災害支援を決定する判断の基準は約7割の企業が「災害規模の大きさ」と回答。次いで「自社・グループ会社の拠点がある」、「顧客の拠点がある」ことなどを挙げている。
- 約8割の企業が災害支援の基準を「設けていない」と回答。
- 企業が災害支援を行う際に感じる最も大きな課題は「現地ニーズの把握ができていない」こと。
調査に回答いただいた企業は、これまで災害支援に関するさまざまな要請に、真摯にかつ柔軟に対応されつつも、あまりにも増え続ける自然災害に対し、どの被災地に、どこまで、どういった支援を行うか、都度非常に難しい判断を迫られていることがうかがえました。
一方で、支援の受け手側としても被災地のニーズが発信できているか、受ける体制はできているかといった危機管理体制への課題が挙げられています。
災害はいつどこで起きてもおかしくない状況です。企業が今後どのように地域・社会の一員としての役割を果たしていくべきなのか――これは、企業単位、組織単位だけで考えるのではなく、連携して考えていくべき社会課題だと考えます。未来創造部の主宰するATAMI社会課題ラボでは、「企業の災害支援の基準づくり」を今後の重要な社会課題の1つと位置づけ、ラボ参加メンバーとともに取り組みを進めたいと考えています。
なお、結果の詳細は別紙(添付)をご覧ください。
【調査につきまして】
本調査では、対象者選出にあたり無作為抽出を行っていません。そのため、本報告書の結果は日本全体を代表するものではありません。
自由回答部分については、全回答を網羅しているわけではないことをご了承ください。
パーセンテージは四捨五入を行っているため、合計が100%にならない場合があります。
【本リリースに関するお問い合わせ】
有限会社イーズ
〒111-0053 東京都台東区浅草橋1丁目19-10 PF浅草橋ビル 5F
電話:03-5846-9841
E-mail:info@es-inc.jp
https://www.es-inc.jp/