熱海、未来のタネをみつけに

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なぜやるのか? プラキャッチプロジェクトの背景(2)

なぜやるのか? プラキャッチプロジェクトの背景(2)

人工物であるプラスチックは自然環境中にとどまりつづけます。

現在存在している海洋プラスチック汚染のうち、生分解性プラスチックの占める割合はごくわずかであり、生分解性プラスチックですら、これまで生産されたものは海洋環境では完全に分解しないと考えられています。つまり、「現時点ですでに海洋に出てしまっているプラスチックごみは物理的に取り除くしかない」のです。

 

1.海洋のプラごみを回収する取り組み

ビーチクリーン活動

海岸に漂着したゴミを分別しながら拾い集め、その量や質に関する実態をデータとして集計する国際的な活動で、日本でも各地で展開されています。熱海でも、熱海ビーチクラブ(代表:光村智弘)を中心に毎月行われています。

→参加したい、興味がある、という方は、こちらをどうぞ! https://www.facebook.com/groups/216724745121241/

大量のプラスチックごみが海岸と海洋の間を行ったり来たりしているため、海岸に打ち寄せられるプラごみを収拾するビーチクリーン活動は、海洋のプラごみを回収する重要な取り組みなのです。

 

「オーシャン・クリーンアップ」プロジェクト

オランダの大学生だったボイヤン・スラットが2013年、18歳のときに立ち上げたプロジェクトで、世界的に注目されている活動です。600メートルの長さのフローターを海面に浮かべ、その下についている3メートルの深さの裾部分でプラスチックごみをとらえて回収します。

 

 

Image by Boyan Slat. https://commons.wikimedia.org/wiki/File:How_TOC_works.png

 

2.陸上から海へのプラごみの流出を止める取り組み

河川のプラごみ拾い

 各地で行われています

海への流出前にストップする取り組み(世界にも数えるほどしかありません)

「ミスター・トラッシュ・ホイール」

米国メリーランド州のバルチモア市のNGO団体「ウォーターフロント・パートナーシップ・オブ・バルチモア」

川の流れがホイールを回転させ、水中のゴミを拾い上げてごみ運搬船に載せるしくみです。水量が足りないときには、ソーラーパネルが発電する電力でホイールを駆動します。ごみ運搬船が満杯になると、ボートで曳航され、次のごみ運搬船がやってきます。

http://baltimorewaterfront.com/healthy-harbor/water-wheel/

 

オランダの「グレート・バブル・バリア」

水路の底に置かれたチューブの穴から気泡を発生させ、川底から水面までカーテンのように「遮断」します。船や魚は自由に行き来ができますが、プラスチックごみは下から上へと上昇する「気泡のカーテン」にひっかかって水面に浮上するので、回収・除去することができます。

このように世界では「海への流出前にストップする取り組み」がいくつか行われています。

未来創造部が行おうとしている「河口でのプラキャッチプロジェクト」は、おそらく日本初の取り組みで、世界にもあまり例がないものです。

次回は、熱海での「河口でのプラキャッチプロジェクト」はどのようにして生まれたのか、ご紹介しましょう。どうぞお楽しみに!