熱海、未来のタネをみつけに

Menu

ブルーカーボン ② 『「熱海モデル」地域一体で』(明日への環境Lesson/静岡新聞)

ブルーカーボン ②  『「熱海モデル」地域一体で』(明日への環境Lesson/静岡新聞)

 前回「温暖化を止めるために必要な3つのこと」をお伝えし、大気中に出てしまった二酸化炭素(CO2)を回収する取り組みの1つとしてブルーカーボンを紹介しました。今回は熱海でのブルーカーボンへの取り組みをご紹介しましょう!

 1つめは、実際に海で藻場を再生させようというプロジェクト。熱海の海にも昔は海草や海藻がいっぱい生えていたそうですが、いつの間にかなくなってしまいました。それをよみがえらせる活動を漁業関係者や自治体、地域の方々と進めています。

 次に藻場の調査方法の開発です。藻場再生に取り組む前に、現状を知る必要があります。また、取り組みの結果、増えたのか増えていないのかがわからないと、効果的な活動はできません。ダイバーに潜ってもらうのが一番確実ですが、お金と時間がかかります。そこで、私たちは小型の船を使って、魚群探知機で現在位置を確認しながら、水中カメラを引っ張り、藻場がありそう!となったら、水中ドローンを下ろして詳しく調べるという方法を開発しようと頑張っています。

 3つめは情報発信・共有です。日本の各地で藻場再生やブルーカーボンの取り組みが行われていますが、横の連携はあまりありません。お互いに学び合うことでそれぞれの活動を推進したいと、ブックレットを出版したり、ブルーカーボン・ネットワークというNPO法人を立ち上げて、取り組んでいる地域や企業をつなぐ活動をしています。

 ブルーカーボンの取り組みが、気候変動対策や漁業支援、地域の観光資源となり、さらに地元経済への好循環を生み出せたら。そして環境教育として多くの人に体験してもらえたらー。そんな願いを込めて活動しています。

 2020年に移住した熱海市で環境教育に取り組む環境ジャーナリストの枝廣淳子さんが、持続可能な社会をつくるために必要な力や知識を解説します。

 


【バックナンバー】

「明日への環境Lesson」全体はこちらのサイトからご覧ください
https://mirai-sozo.work/topics/lesson.html

未来を創り出す力 ① 『「変えたい」時 必要なこと』(明日への環境Lesson/静岡新聞)

未来を創り出す力 ② 『10、20年後 どうなりたい?』(明日への環境Lesson/静岡新聞)

未来を創り出す力 ③ 『物事のつながり考える』(明日への環境Lesson/静岡新聞)

未来を創り出す力 ④ 『手段と目的 混同しない』(明日への環境Lesson/静岡新聞)

未来を創り出す力 ⑤ 『答えを急がず 考え続ける』(明日への環境Lesson/静岡新聞)

ブルーカーボン ① 『温暖化を止める3箇条』(明日への環境Lesson/静岡新聞)